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考察

【リゼロ考察】アニメで消えたシャウラの一言「……三つ」は何を数えたのか

ネタバレ注意:原作(Web版)第六章までの内容を含みます。
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アニメで消えた一言

アニメ4期、喪失編の3話。砂丘を越えたスバルたちの前に、ついに監視塔の主が姿を見せます。第一声は、「見つけた」。四百年待った相手を、見つけた。シャウラというキャラクターの全部が詰まった一言です。

でも、原作を読んでいた人は、たぶん同じところで引っかかりました。原作第六章の18話。シャウラは「見つけた」と言う前に、スバルをじっと見つめて、こう呟いています。

「……三つ」(六章18話)

スバルが「へ?」と返すと、シャウラは「ま、それはいっか。そんなことより、見つけた」。

何が三つなのか、本人が流してしまって、原作でも六章の最後まで説明されません。アニメは、この一言を丸ごとカットしました。今日は、この消えた一言だけを掘ります。

何を数えたのか

まず、シャウラが何を見て数えたのか。

ヒントは台詞じゃなくて、地の文にあります。呟きの直前、彼女はこういう状態でした。「スバルの内を覗き込もうとするかのような態度」。外見じゃない。持ち物でもない。スバルの「中」を覗いて、数を数えた。

じゃあ、スバルの中に数えられるものなんてあるのか。……あるんです。それも、数がはっきり語られているものが。

思い出してほしいのが、同じ六章の序盤。ロズワールの台詞です。

「大罪司教を一人、倒した。スバルくんの中に、これで二つ目が入ったはずだ」(六章)

魔女因子。怠惰と、強欲。ペテルギウスとレグルス。スバルの中には「二つ」入っている。ロズワールはそう数えました。

三つ目の正体

ロズワールは、二つと数えた。シャウラは、三つと数えた。

どちらかが間違っている、とは考えません。シャウラには、ロズワールに見えていない「三つ目」が見えていた。今日はこの説でいきます。

じゃあ三つ目は何か。私は、『死に戻り』の側の何か、だと考えています。

根拠は三つ

根拠も、三つあります。

一つ目。シャウラの認識のしかたです。彼女がスバルを「お師様」と認定した根拠は、顔でも声でもありませんでした。

「臭いッス」「こんな鼻が曲がりそうなぐらいどす黒くてエグイ臭いプンプンさせて平気な人なんて、お師様以外には考えられねッスもん」

どす黒い臭い。この作品で、スバルにまとわりつく「臭い」といえば、一章からずっと描かれてきたあれです。魔女の残り香。そしてスバルの残り香が濃くなるのは、『死に戻り』に関わったときでした。

つまりシャウラの鼻は、因子のような「中身」だけじゃなく、死に戻りの側の気配まで嗅ぎ分けている可能性がある。

二つ目。単純に、数が合います。

怠惰の因子。強欲の因子。そこに、死に戻りをスバルに結びつけている「何か」を足すと。二つ、足す、一つ。三つです。

三つ目の根拠。「ま、それはいっか」の軽さです。

もし三つ目が、シャウラの知らない不気味なものだったら、四百年も塔の番をしてきた彼女が「いっか」で流せるでしょうか。逆に言えば、流せたのは、それが彼女にとって「よく知っている気配」だったから、と読めます。

四百年前を生きたシャウラが、よく知っている。どす黒い気配の。

――嫉妬の魔女、サテラ。一章から今まで、スバルの『死に戻り』との関わりが示唆され続けてきた存在です。

怠惰、強欲、そして嫉妬。**シャウラが数えた三つは、スバルの中の魔女の数だった。**これが今日の本命です。

六章は「三」だらけ

もうひとつ、この説を後押しするものがあります。六章という章そのものが、やたらと「三」を数えさせてくるんです。

塔の試験は、三層・二層・一層の三つ。しかもこれ、四章の墓所の『試練』も三つでした。スバルは同じ数を、二度くぐらされている。

四百年前の三英傑。シャウラ、レイド、ボルカニカ。

スバルとベアトリスのオリジナル魔法も三つ。しかも三番目だけが「不完全」で、六章の最後まで中身が明かされません。

この章は「三」で何かを仕込んでいる。私はそう思っています。

ここまで「三」を並べてくる章の、その入口。最初に塔で出会った相手が、開口一番「……三つ」と数える。

まとめ

整理します。

シャウラはスバルの「中」を覗いて、三つ、と数えた。ロズワールが数えた因子は、怠惰と強欲の二つ。差分の一つは、死に戻りの側の気配。名前を挙げるなら、嫉妬。

根拠は、彼女がスバルを嗅ぎ分けたこと。数が合うこと。そして「ま、それはいっか」と流せる程度に、彼女にとって馴染みの気配だったこと。

この謎、原作六章の範囲では答えが出ません。8月12日から始まる奪還編で、シャウラの物語は大きく動きます。ただ、「三つ」の答え合わせは、そこにはありません。でも、答えが出ないからこそ、この一言は先の章に向かって張られた糸だと思っています。

「見つけた」の直前。四百年待った相手を前にして、彼女が最初にしたのは、喜ぶことじゃなくて、数を数えることだった。

奪還編でシャウラを見るとき、アニメでは消えたこの一言を、思い出してみてください。

原作:長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活』(小説家になろう/MF文庫J・KADOKAWA)。 本文中の原作の引用は、考察・批評を目的とした引用です。

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